
グランピング施設や宿泊施設にサウナを導入したいけど、屋外サウナってどのくらい費用がかかるの?バレルサウナ以外にも選択肢はある?
屋外サウナの導入を検討する施設事業者が増えています。宿泊施設の付加価値向上や集客力アップの手段として、サウナは大きな武器になるからです。
ただ、屋外サウナにはバレルサウナ、テントサウナ、ドーム型のインスタントサウナなど複数のタイプがあり、費用も構造も異なります。「結局どのタイプが自施設に合うのか?」と迷っている方も多いのではないでしょうか。
監修者


株式会社LIFULL ArchiTech 取締役COO
名古屋工業大学 共同研究員
山中典(やまなか つかさ)
この記事では、施設事業者向けに屋外サウナの導入費用をタイプ別に比較し、本体価格だけでなく施工費やランニングコストまで含めた費用の全体像を解説します。
屋外サウナの導入費用 タイプ別の価格相場
まず、施設向けに導入されることが多い屋外サウナの主要タイプと、それぞれの費用感を整理します。
バレルサウナの費用相場
バレルサウナは、樽(バレル)を横に倒した形状の木製サウナです。フィンランド発祥の伝統的なスタイルで、日本でも宿泊施設やグランピング施設での採用が増えています。
浅間サウナラインの情報によると、バレルサウナの本体価格は100万〜300万円が相場とされています。ただし、本体価格とは別に配送費・施工費・ストーブ本体代・オプション代などが必要で、これらを合計すると200万〜500万円程度になるとされています。
参照元:浅間サウナライン「バレルサウナとは?メリット・デメリット、購入する場合のポイントを解説」
たとえば、国内での導入実績が豊富なtotonoüの事業用バレルサウナ(Pro Model)の場合、以下の価格帯になっています。
| モデル | サイズ | 本体価格 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| Pro Model 2.2m | 4〜6人用 | 1,450,000円 | ひさし付き、事業用、耐用年数20年以上 |
| Pro Model 3.0m | 4〜6人用 | 1,700,000円 | 前室あり、事業用、耐用年数20年以上 |
| Pro Model 4.0m | 8〜10人用 | 1,850,000円 | 大型、事業用、耐用年数20年以上 |
上記は本体価格のみで、施工費は別途発生します。totonoü公式サイトによると、施工費はバレルサウナ2.2mで200,000円〜、3.0mで300,000円〜が目安です。電気ストーブ設置費は150,000円〜、薪ストーブ設置費は70,000円〜とされています。
テントサウナの費用相場
テントサウナは、専用のテント内に薪ストーブを設置して楽しむタイプのサウナです。購入費用はサウナパラダイスの調査によると、低価格帯で5万〜7万円、中価格帯で7万〜15万円、高価格帯で15万〜25万円とされています。
参照元:サウナパラダイス「テントサウナのおすすめは?レンタルと購入どっちが良いのか」
導入コストが圧倒的に安い一方、施設で固定設置での利用するには注意点があります。テント素材の耐久性が低く長期使用に向かないこと、薪ストーブの火の管理が必要なこと、外気温の影響を強く受けることなどから、施設事業者が「通年営業の固定設置のサウナ」として導入するにはハードルがあります。イベントやシーズン限定の体験コンテンツとしての活用が現実的でしょう。
インスタントサウナの特徴と費用
インスタントサウナは、LIFULL ArchiTechが2026年1月に販売を開始した新しいタイプの屋外サウナです。インスタントハウスの技術を活用し、テントシートを空気で膨らませて内側から硬質発泡ウレタンを吹き付けて施工するドーム型の構造になっています。
LIFULL公式のプレスリリースによると、インスタントサウナの主な特徴は以下のとおりです。
- 構造体自体が断熱材(硬質発泡ウレタン)で、外気の影響を最小限に抑えられる
- 円形の形状が熱の循環効率と対流効率を高め、短時間で室内を温められる
- 100V電源で利用可能な家庭用サウナストーブで十分な温熱環境を実現(電気工事不要)
- 建築物ではないため設置場所の制約が少ない
参照元:株式会社LIFULL「LIFULL ArchiTech、断熱性能と熱効率に優れた『インスタントサウナ』を販売開始」
価格については公式サイトから問い合わせが必要です。導入を検討している方は、以下のリンクから詳細をご確認ください。
事業用バレルサウナの費用内訳
バレルサウナは施設向け屋外サウナとして最もメジャーな選択肢です。ここでは導入実績が豊富なtotonoüを例に、費用の内訳を詳しく見ていきます。
本体価格
totonoüの事業用Pro Modelは、サイズにより1,450,000円〜1,850,000円の本体価格です(2.2m〜4.0m)。北欧産の木材を使用しており、公式サイトでは耐用年数20年以上と記載されています。
一方、Sa!una(サウーナ)は本体価格29万円からバレルサウナを提供しており、同じバレルサウナでもメーカーによって価格帯に大きな幅があります。
参照元:Sa!una公式サイト
施工費・ストーブ設置費・オプション
バレルサウナの導入では、本体価格に加えて以下の費用が別途発生します。totonoü公式サイトに記載されている費用目安をまとめました。
| 費用項目 | totonoüの目安金額 |
|---|---|
| 施工費(2.2m、パノラマガラスなし) | 200,000円〜 |
| 施工費(3.0m、パノラマガラスなし) | 300,000円〜 |
| 電気ストーブ設置費 | 150,000円〜 |
| 薪ストーブ設置費 | 70,000円〜 |
| パノラマガラス設置工事 | 50,000円 |
| 専用塗料による塗装 | 50,000円〜 |
| 設置場所への移動諸経費(東京都内目安) | 40,000円〜 |
参照元:totonoü公式 バレルサウナ2.2m商品ページ / totonoü公式 バレルサウナ3.0m商品ページ
たとえばPro Model 2.2mに電気ストーブを設置する場合、本体1,450,000円+施工費200,000円+電気ストーブ設置費150,000円で、最低でも約180万円程度が目安になります。パノラマガラスや塗装、移動諸経費を含めると、さらに上乗せされる形です。
薪ストーブは設置費が70,000円〜と電気ストーブより安価ですが、運用時に薪の調達コストと火の管理が継続的に発生します。電気ストーブは設置費が150,000円〜と高めですが、スイッチ操作だけで温度管理ができるため、スタッフの負担が少なく施設運営に向いています。
ランニングコストの考え方
屋外サウナのランニングコストは、熱源の種類によって変わります。薪ストーブの場合は薪の購入費用が継続的にかかり、電気ストーブの場合は電気代が主なランニングコストです。
バレルサウナは基本的に木材だけで構成されているため、断熱材や防湿シートが施されていない点も考慮が必要です。浅間サウナラインによると、特に気温が氷点下になる地域では「ストーブを最大限に使っても最高温度があまり上がらない」「サウナ室を温める時間が長くなる」といった課題が指摘されています。寒冷地での通年営業を計画する場合は、暖機時間と燃料費が割増になる可能性を見込んでおきましょう。
参照元:浅間サウナライン「バレルサウナとは?メリット・デメリット、購入する場合のポイントを解説」
バレルサウナ vs インスタントサウナ 導入比較
施設向けの屋外サウナとして、バレルサウナとインスタントサウナはどのような違いがあるのでしょうか。LIFULL公式のプレスリリースとtotonoü公式の情報をもとに、構造面と運用面の違いを比較します。
構造・断熱性の違い
バレルサウナは木材で構成された樽型の構造で、天井が弧を描くため蒸気が効率よく室内を循環する特徴があります。ただし、断熱材や防湿シートが施されていないタイプが一般的で、外気温の影響を受けやすい点がデメリットです。
一方、インスタントサウナは構造体自体が断熱材(硬質発泡ウレタン)です。LIFULL公式のプレスリリースによると、円形の形状が「熱の循環効率」と「対流効率」を高め、短時間で効率よく室内を温められるとされています。外気の影響を最小限に抑えられる構造のため、寒冷地での運用にも適していると考えられます。
電源・火の管理の違い
バレルサウナでは、熱源として薪ストーブまたは電気ストーブを選択します。薪ストーブは本格的なサウナ体験を提供できる反面、薪の調達・保管・火の管理といった運用コストとスタッフの手間が継続的に発生します。電気ストーブを選ぶ場合は、電圧の変換工事(200V化)が必要になるケースが多く、その工事費用も見込んでおく必要があります。
インスタントサウナは、LIFULL公式プレスリリースによると「100V電源で利用可能な小さな家庭用サウナストーブだけで十分な温熱環境を実現できる」とされています。つまり、電気工事が不要で、一般的な家庭用コンセント(100V/1500W)で運用できるのが大きな特徴です。薪の火の管理も必要ないため、施設スタッフの運用負担を軽減できます。
導入コスト・運用面の比較表
| 比較項目 | バレルサウナ(totonoü Pro Model) | インスタントサウナ |
|---|---|---|
| 本体価格 | 1,450,000円〜1,850,000円(totonoü公式) | 要問い合わせ |
| 施工費 | 200,000円〜300,000円(totonoü公式) | 要問い合わせ |
| 断熱性 | 木材のみ(断熱材なし)、外気温の影響を受けやすい | 構造体自体が断熱材(硬質発泡ウレタン) |
| 熱源 | 薪ストーブまたは電気ストーブ(200V工事が必要な場合あり) | 100V/1500Wの電気サウナストーブ(電気工事不要) |
| 火の管理 | 薪ストーブ選択時は必要 | 不要 |
| 耐用年数 | 20年以上(totonoü公式) | 要問い合わせ |
※バレルサウナの情報はtotonoü公式サイト、インスタントサウナの情報はLIFULL公式プレスリリースに基づいています。
屋外サウナの導入判断は、初期費用だけでなく「日々の運用がどれだけラクか」も重要な視点です。薪の調達・保管、火おこし・消火の作業、電気工事の要否など、運用面のコストと手間も含めて比較検討しましょう。
屋外サウナ導入でよくある質問
- バレルサウナの導入総額はどのくらいですか?
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浅間サウナラインによると、本体価格に配送費・施工費・ストーブ代・オプション代を含めた総額は200万〜500万円程度とされています。totonoüのPro Model 2.2mの場合、本体1,450,000円+施工費200,000円〜+ストーブ設置費70,000〜150,000円が最低ラインの目安です。
- テントサウナを施設で固定設置での利用することはできますか?
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テントサウナは導入コストが5万〜25万円と安価ですが、テント素材の耐久性や薪ストーブの火の管理を考えると、通年の固定設置での利用には向きません。イベントやシーズン限定の体験コンテンツとして活用するのが現実的です。
- インスタントサウナは電気工事なしで使えますか?
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LIFULL公式のプレスリリースによると、インスタントサウナは100V電源で利用可能な家庭用サウナストーブで十分な温熱環境を実現できるとされています。一般的な家庭用コンセント(100V/1500W)で運用できるため、電気工事が不要です。
- バレルサウナの耐用年数はどのくらいですか?
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メーカーや使用環境によって異なります。totonoüの公式サイトでは、事業用Pro Modelの耐用年数を20年以上と記載しています。ただし木材は外気や湿気の影響を受けるため、定期的な塗装メンテナンスが推奨されています。
- 屋外サウナに建築確認申請は必要ですか?
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サウナの構造や設置方法、自治体の判断によって異なります。バレルサウナは木造の建築物に該当する可能性があり、自治体への確認が必要です。インスタントサウナはインスタントハウスと同様に建築物ではない構造のため、設置場所の制約が少ないとされています(LIFULL公式プレスリリースより)。いずれの場合も、計画地を管轄する自治体に事前相談してください。
まとめ
- バレルサウナの本体価格は100万〜300万円が相場。施工費やストーブ設置費を含めた導入総額は200万〜500万円程度
- テントサウナは5万〜25万円と安価だが、固定設置での利用には耐久性・火の管理の面で課題がある
- インスタントサウナは構造体自体が断熱材で、100V電源で運用可能。電気工事不要・火の管理不要で施設運営の負担を軽減できる
- 本体価格だけでなく、施工費・ストーブ設置費・ランニングコスト・運用の手間まで含めた「トータルコスト」で比較することが重要
屋外サウナの導入は、宿泊施設やグランピング施設の付加価値を高める有効な手段です。ただし、サウナのタイプによって初期費用・運用の手間・断熱性能が大きく異なるため、自施設の立地条件や運営体制に合った選択が大切です。
バレルサウナは実績と選択肢が豊富な定番の選択肢。インスタントサウナは電気工事不要・火の管理不要という運用面のメリットが特徴です。複数のタイプを比較検討した上で、最適な屋外サウナを選んでください。










