中庭の活用アイデア|庭が“もう1部屋”になるインスタントハウスの使い方



「庭はあるけれど、なんとなく持て余している」「子どもが小さい頃はよく使ったが、最近は雑草が伸びるだけ」。そんな庭や中庭を、”もう1部屋”として活用できたらと考えたことはないでしょうか。書斎、趣味部屋、リモートワークの仕事場、家族のセカンドリビング。庭の使い方を少し変えるだけで、暮らしの幅は大きく広がります。

監修者

株式会社LIFULL ArchiTech 取締役COO
名古屋工業大学 共同研究員
山中典(やまなか つかさ)

この記事では、中庭・庭を"もう1部屋"として活用するアイデアを整理したうえで、庭に独立した空間をつくる方法として注目されているインスタントハウスの使い方を紹介します。小屋や離れを庭に設置する際の法規制も押さえながら、住まいにゆとりを生む庭活用のヒントをまとめました。
目次

庭・中庭が「もう1部屋」になるという発想

庭はBBQや家庭菜園、子どもの遊び場としてだけでなく、暮らしの満足度を高める空間として見直されています。つくばガーデンの解説でも、一軒家に趣味部屋や書斎があるように、庭にも自分だけのお気に入りの空間をつくることで住まいの満足度が高まると紹介されています。

参照元:つくばガーデン「一軒家の庭をおしゃれにする7つのコツ」

とはいえ、テラスやウッドデッキを置くだけでは「屋外スペース」の域を出ません。天候や気温に左右されず、本当に”部屋”として使える空間にするには、屋根と壁で囲まれた独立した居場所が必要です。庭に小さな建物や構築物を1つ置くだけで、庭は「眺めるもの」から「使うもの」へと変わります。

使われていない庭をそのままにしておくのは、もったいない選択です。つくばガーデンの別の解説でも、子どもの成長につれて庭の使用頻度が下がった家庭は少なくないと指摘されています。ライフステージの変化に合わせて、庭の役割をアップデートしていくことが、限られた敷地を最大限に活かすコツです。

参照元:つくばガーデン「使っていない庭をリフォームで有効活用した事例8選」

庭・中庭を「もう1部屋」にする活用アイデア

庭に独立した空間をつくると、どんな使い方ができるのでしょうか。代表的な活用アイデアを紹介します。グリーンベルの解説でも、庭の一角に設置した小屋は書斎やアトリエ、音楽スタジオ、DIYスペースなど様々な用途に活用でき、適切な断熱と内装を施せば四季を通じて快適に過ごせる空間になると説明されています。

参照元:グリーンベル「小屋を趣味部屋に!理想のプライベート空間を実現するポイントと活用術」

リモートワーク用の書斎・仕事部屋

在宅勤務が定着し、「自宅に集中できる仕事場がほしい」というニーズが高まっています。庭に独立した書斎をつくれば、家族の生活音から離れてオンライン会議や集中作業に取り組めます。母屋とは別棟になるため、仕事とプライベートの切り替えがしやすいのも利点です。通勤がない代わりに、庭の小屋への”庭内通勤”が気分の切り替えスイッチになります。

趣味部屋・アトリエ・秘密基地

楽器の練習、絵画やハンドメイドの制作、模型づくり、読書など、趣味に没頭できる専用空間としての使い方です。母屋では場所を取りがちな趣味の道具や作品も、独立した空間なら気兼ねなく広げられます。音や匂いが出る趣味でも、母屋と離れていれば家族に気を使わずに済みます。

家族のセカンドリビング・くつろぎ空間

庭を眺めながらコーヒーを飲む、読書する、昼寝する。母屋とは違う”特別な居場所”として、家族のセカンドリビングにする使い方もあります。友人を招いてのティータイムや、週末に夫婦でゆっくり過ごす空間としても活躍するでしょう。庭の緑を間近に感じられる立地そのものが、リビングにはない非日常感を生みます。

客間・親世帯の滞在スペース

来客が泊まる客間や、たまに訪れる親世帯の滞在スペースとしての活用も考えられます。母屋に十分な空き部屋がない場合でも、庭に独立した空間があれば、お互いのプライバシーを保ちながら快適に過ごしてもらえます。普段は趣味部屋として使い、来客時だけ客間に切り替える兼用も可能です。

サウナ・ととのい空間

近年人気が高まっているのが、自宅の庭にサウナを設けて”おうちサウナ”を楽しむ使い方です。庭で外気浴ができる環境は、自宅サウナならではの贅沢です。断熱材の発泡ウレタンを用いた独自の構造により、高い断熱性能と熱循環効率を実現した新しいサウナであるインスタントサウナは、100V電源で運用可能な電気サウナストーブを採用しており電気工事が不要なため、庭への設置のハードルが比較的低い選択肢です。

庭が”もう1部屋”になるインスタントハウスの使い方

庭に”もう1部屋”をつくる方法はいくつかありますが、手軽さと快適性のバランスで注目されているのがインスタントハウスです。庭の空きスペースに独立した空間を生み出す構築物として、どのような特徴があるのかを見ていきます。

インスタントハウスとは

インスタントハウスは、2011年の東日本大震災での被災地支援をきっかけにした名古屋工業大学大学院の北川啓介教授の研究をもとに、LIFULLと名古屋工業大学大学院による共同研究にて開発した新しい構築物です。ドーム型のフォルムが特徴で、法的に「工作物」として扱われます。

庭活用に向く4つの特徴

インスタントハウスが庭の”もう1部屋”に向いている理由を、4つの特徴から整理します。

  • 基礎工事不要・ペグやビスで固定……庭を大きく掘削する必要がなく、設置の負担が小さい。既存の庭を活かしたまま設置できる
  • 設営は数時間(約6時間)……工事で何日も庭がふさがることがなく、短期間で”もう1部屋”が完成する
  • 断熱材を360°に使用……外気温の影響を受けにくく、夏も冬も室内として快適に使える。書斎やセカンドリビングとして通年活用しやすい
  • 動産として扱われるのが一般的……ライフステージの変化で不要になった場合も、撤去・移設の柔軟性が高い

本体価格に設営費が含まれているわかりやすい価格設定で、サイズを調整することも可能なため、庭の広さや用途に合わせて選べる点も魅力です。特注仕様の場合は製作期間が別途必要となります。出入口はファスナー式が標準で、ドーム型の空間はリビングや書斎とは違う特別な雰囲気を演出します。

用途に合わせた使い方の例

スクロールできます
用途使い方のイメージ
書斎・仕事部屋母屋から離れた静かな環境で、リモートワークや集中作業に
趣味部屋・アトリエ楽器・制作・読書など、専用のこもれる空間として
セカンドリビング庭の緑を眺めながらくつろぐ、家族の特別な居場所として
客間・滞在スペース来客や親世帯の宿泊用に、プライバシーを保てる独立空間として
サウナ小屋インスタントサウナと組み合わせて、庭で外気浴ができるおうちサウナに

庭に”もう1部屋”を設置する前に知っておきたい法規制

庭に小屋や離れ、構築物を設置する際は、いくつかの法規制を押さえておく必要があります。「自分の庭だから自由に置ける」とは限らない点に注意が必要です。

建築確認申請の「10㎡ルール」

建築物を建てる際は、原則として建築確認申請が必要です。ただし世良税理士事務所の解説によると、既存の建物に増築または敷地内に別棟で建てる場合で、床面積が10㎡以下であれば建築確認申請は不要になるとされています。庭に置く小規模な空間であれば、この「10㎡ルール」に収まるケースが多くあります。

ただし重要な例外があります。同事務所も、10㎡以下であっても小屋を建てる土地が防火地域・準防火地域内にある場合などは建築確認申請が必要になると指摘しています。市街地では防火・準防火地域に指定されているエリアも多いため、事前に役所や専門家へ確認することが欠かせません。

参照元:世良税理士事務所「庭に仕事小屋がほしい!でも建築確認申請は?固定資産税は?」

建ぺい率にも注意

建築確認申請が不要なケースでも、建築基準法そのものは守る必要があります。消費者向け住宅ガイドの解説でも、申請が不要なことで建ぺい率オーバーなどの違反になってしまうケースが多々あると注意が呼びかけられています。庭に建物を追加すると敷地内の建築面積が増えるため、建ぺい率の上限を超えないかを必ず確認しましょう。

参照元:消費者のための住宅購入・家づくりガイド「プレハブ製の物置や車庫も建築物として確認申請が必要ですか?」

固定資産税の考え方

庭の構築物に固定資産税がかかるかどうかは、土地への定着性で判断されます。SUUMOの解説によると、固定資産は土地への定着性があるかどうかで判断され、基礎をつくって建てると家屋となって固定資産税がかかる一方、簡単なものの上に置かれている場合は構築物となり固定資産税の対象とならないとのことです。インスタントハウスのように基礎工事を伴わず動産として扱われるのが一般的なものは、この点でも庭に置きやすい選択肢といえます。

参照元:SUUMO「知っておきたい小屋の注意点 建築確認は? 固定資産税は?」

設置前のチェックリスト
  • 設置予定の空間の床面積が10㎡以下に収まるか
  • 土地が防火地域・準防火地域に指定されていないか
  • 建物を追加しても建ぺい率の上限を超えないか
  • 固定資産税や登記の扱いについて、自治体や専門家に確認したか

法規制の判断は土地の条件や自治体によって変わります。庭への設置を具体的に検討する段階では、必ず管轄の自治体や専門家へ事前に相談してください。

庭・中庭の活用に関するよくある質問

庭に小屋や離れを建てるのに建築確認申請は必要ですか?

既存の建物がある敷地に別棟で建てる場合、床面積が10㎡以下であれば建築確認申請は不要になるのが一般的です。ただし、土地が防火地域・準防火地域内にある場合は10㎡以下でも申請が必要になります。市街地では防火・準防火地域が多いため、設置前に役所や専門家へ確認してください。

庭の構築物に固定資産税はかかりますか?

土地への定着性で判断されます。基礎をつくって建てると家屋として固定資産税の対象になりますが、簡単なものの上に置かれている構築物は対象にならないとされています。基礎工事を伴わず動産として扱われるのが一般的なものは、この点でも庭に置きやすい選択肢です。詳しくは自治体や専門家に確認してください。

庭が狭くても”もう1部屋”はつくれますか?

サイズを調整できる構築物を選べば、限られた庭のスペースでも設置できる可能性があります。インスタントハウスはサイズを調整することも可能なため、庭の広さや用途に合わせて選べます。ただし建ぺい率の上限を超えないかは事前に確認が必要です。

庭の”もう1部屋”は通年で使えますか?

断熱性のある構築物を選べば、夏も冬も室内として快適に使えます。一般的な物置やテントは断熱性に課題がありますが、断熱材を360°に使用したインスタントハウスは外気温の影響を受けにくく、書斎やセカンドリビングとして通年活用しやすいのが特徴です。

自宅の庭にサウナを置くことはできますか?

庭で外気浴ができる環境は自宅サウナならではの魅力です。断熱材の発泡ウレタンを用いた独自の構造により、高い断熱性能と熱循環効率を実現した新しいサウナであるインスタントサウナは、100V電源で運用可能な電気サウナストーブを採用しており電気工事が不要なため、庭への設置のハードルが比較的低い選択肢です。設置の際は法規制や安全面の確認も行ってください。

まとめ

庭・中庭を”もう1部屋”にするポイント
  • 庭は「眺めるもの」から「使うもの」へ。屋根と壁のある独立空間で”もう1部屋”が生まれる
  • 書斎・趣味部屋・セカンドリビング・客間・サウナなど、活用アイデアは幅広い
  • インスタントハウスは基礎工事不要・設営約6時間・断熱材360°使用で、庭の”もう1部屋”に向く
  • 設置前に「10㎡ルール」「防火地域の例外」「建ぺい率」「固定資産税」を確認する
  • 法規制の判断は土地や自治体で変わるため、具体的な検討段階では自治体・専門家へ相談する

持て余していた庭や中庭も、独立した空間を1つ加えるだけで、暮らしを豊かにする”もう1部屋”に変わります。書斎として、趣味部屋として、家族のくつろぎ空間として。使い方は住む人の数だけあります。

なかでもインスタントハウスは、基礎工事不要で設営が数時間、断熱材を360°に使用して通年使えるという特徴から、庭を手軽に”もう1部屋”へと変える選択肢になります。庭の活用を考え始めたら、まずは設置予定地の法規制を確認しつつ、どんな空間にしたいかをイメージするところから始めてみてください。



監修者

山中典(やまなか つかさ)

株式会社LIFULL ArchiTech 取締役COO/名古屋工業大学共同研究員。インスタントハウスの開発・事業を軸に、災害支援から多様な空間活用まで幅広く展開している。

東証プライム上場LIFULLグループ|導入実績240棟以上

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