「サウナ開業には補助金が使えるらしい」と聞いたものの、どの制度が対象になるのか分からず手が止まっている方は多いのではないでしょうか。サウナ事業で活用が考えられる補助金・助成金は複数ありますが、2026年度は国の制度再編があり、古い情報のまま動くと申請先を見誤りかねません。
監修者

株式会社LIFULL ArchiTech 取締役COO
名古屋工業大学 共同研究員
山中典(やまなか つかさ)
この記事では、サウナ開業に活用できる補助金・助成金を、国の制度・地域系の交付金・自治体独自の支援の3つに分けて整理します。申請から入金までの流れと注意点、自己負担を抑えて小さく始める考え方まで解説するので、資金計画の土台づくりにお役立てください。
サウナ開業に補助金・助成金は活用できるのか
結論からいえば、サウナ事業は補助金を活用しやすい分野です。宿泊・観光関連の設備投資と位置づけられることが多く、国から自治体まで複数の制度が候補になります。まずは言葉の整理から始めましょう。
補助金と助成金の違い
似た言葉ですが、性質はかなり異なります。両者の違いを表にまとめました。
| 項目 | 補助金 | 助成金 |
|---|---|---|
| 受給の条件 | 採択審査があり、申請しても通らない場合がある | 要件を満たせば受給できるのが一般的 |
| 主な所管 | 経済産業省・自治体など | 厚生労働省(雇用関連)など |
| 主な用途 | 設備投資・販路開拓など | 雇用・人材育成・労働環境の整備など |
| サウナ開業での位置づけ | 施設整備の資金として本命 | スタッフ雇用の場面で補完的に活用 |
サウナ施設の整備費に充てられるのは、主に採択審査型の「補助金」です。「サウナ開業 助成金」と検索して情報を集めている場合も、実際に検討する制度の多くは補助金に分類されると考えておくと迷いにくくなります。
サウナ事業で活用が考えられる支援制度の全体像
候補となる制度は、次の3つの層で考えるのが分かりやすいはずです。
- 国の補助金(新事業進出・ものづくり商業サービス補助金、小規模事業者持続化補助金など)
- 地域・観光系の交付金(地域経済循環創造事業交付金、観光関連の支援事業など)
- 自治体独自の補助金・助成金(観光振興・地域活性化を目的とした制度など)
どの層の制度が合うかは、事業の規模と立地、そして新規参入か既存事業からの展開かで変わってきます。次章から順に確認していきましょう。
2026年度は制度再編に注意
補助金の情報収集で気をつけたいのが、制度の入れ替わりです。かつてサウナ開業の定番だった事業再構築補助金は新規公募が終了し、後継の新事業進出補助金も2026年6月19日で第4回公募の受付を終えました。そのうえで2026年6月末からは、ものづくり補助金と統合された「新事業進出・ものづくり商業サービス補助金」として新たな公募が始まっています。
ネット上には「事業再構築補助金でサウナ開業」といった旧制度ベースの記事が今も多く残っています。申請を検討する際は、必ず中小企業庁や補助金事務局の公式サイトで現行制度の公募状況を確認してください。
参照元:中小企業基盤整備機構「中小企業新事業進出補助金」/中小企業庁「新事業進出・ものづくり商業サービス補助金の第1回公募要領を公開しました」
サウナ事業に活用が考えられる国の補助金
新事業進出・ものづくり商業サービス補助金(既存事業からの参入向け)
2026年6月29日に第1回公募要領が公開された、既存事業とは異なる新市場・高付加価値事業への進出などに係る設備投資を支援する補助金です。第1回公募の申請受付期間は2026年8月31日から9月30日までとされています。
「既存事業と異なる事業への挑戦」を支援する性格上、宿泊施設・飲食店・温浴施設などを運営している事業者がサウナ事業へ進出するケースと相性のよい制度です。グランピング施設にサウナ棟を追加して新しい宿泊体験を作る、といった計画も新事業進出の文脈で組み立てやすいでしょう。賃上げ要件などの条件が設けられているため、公募要領の確認は必須です。
参照元:中小企業庁「新事業進出・ものづくり商業サービス補助金の第1回公募要領を公開しました」


小規模事業者持続化補助金(小さく始める場合の入口)
小規模事業者の販路開拓や業務効率化の取り組みを支援する補助金で、宿泊業・娯楽業では常時使用する従業員が20人以下の事業者が対象とされています。基本の補助上限額は50万円、特例を活用すると最大250万円まで引き上げられる制度設計です。
金額の規模から、大型施設の建設には向かない一方、小型サウナの導入や販促と組み合わせた小さなスタートには現実的な選択肢になります。商工会・商工会議所の支援を受けながら経営計画を作る仕組みのため、初めての補助金申請でも取り組みやすい点が特徴です。直近の第18回公募では申請17,318件に対して採択8,330件と、採択率はおよそ48%でした。2026年7月時点で第20回公募の準備が進んでいるので、最新の公募要領を確認してください。
参照元:小規模事業者持続化補助金<一般型・通常枠>事務局「申請について」/中小企業庁「第18回公募の採択事業者を決定しました」

あわせて確認したいその他の制度
受付・清掃の省人化やセルフ運営の仕組みづくりには中小企業省力化投資補助事業、予約システムや決済まわりの整備にはデジタル化・AI導入補助金2026など、運営体制に応じて検討できる制度もあります。公募時期は制度ごとに異なるため、中小企業庁の補助金公募情報ページで最新状況をまとめて確認するのが効率的です。
参照元:中小企業庁「補助金公募情報」
地域・観光系の交付金と自治体独自の助成金
地域経済循環創造事業交付金(ローカル10000プロジェクト)
地域資源を活用した事業の立ち上げを支援する総務省の交付金です。地域の自然や遊休施設を活かしたアウトドアサウナは、地域資源活用型の事業として構想しやすいテーマといえます。制度の仕組みや採択のポイントは、こちらの記事で詳しく解説しています。

観光関連の支援事業
観光需要の分散や地域観光資源のコンテンツ化を目的とした国の支援事業も、サウナを含む滞在型コンテンツの整備で活用が考えられる分野です。公募は年度ごとに行われるため、最新の公募状況とあわせて次の記事をご覧ください。

自治体独自の補助金・助成金の探し方
都道府県や市区町村が独自に設ける制度も見逃せません。観光振興や移住・創業支援、遊休地の活用促進など、地域課題に紐づいた支援は内容も条件も自治体によって大きく異なります。
探し方としては、開業予定地の自治体サイトで「創業支援」「観光振興 補助金」を確認する、商工会・商工会議所に相談する、国の中小企業向け支援ポータルで地域を絞って検索する、という3つのルートが基本です。地域のまちづくり計画との整合性が重視される傾向にあるため、地域貢献の視点を事業計画に織り込んでおくと審査でも有利に働くとされています。
補助金申請の流れと注意点
申請から入金までの流れ
事業規模と参入形態に合う制度を選び、公募要領で対象者・対象経費・スケジュールを確認するところからです。
収支計画や設備の見積もりを揃えて事業計画書を作成し、電子申請システムなどで期限までに提出します。
審査を経て採択が決まり、交付決定の通知を受けてから補助事業を開始できるのが原則です。
計画に沿って設備導入などを実施し、支払いの証憑を揃えて実績報告書を提出します。
実績報告の確認後に補助金額が確定し、入金される流れです。申請から入金まで長期間かかる点を前提に資金繰りを組んでください。
押さえておきたい3つの注意点
1つ目は、補助金が後払い(精算払い)だという点です。設備費はいったん全額を自己資金や融資で立て替える必要があるため、補助金を前提にしつつも当面の資金計画は別に立てておかなければなりません。
2つ目は、交付決定前に発注・契約した経費は補助対象外になるのが一般的という点です。早くサウナ設備を確保したい気持ちがあっても、フライング発注は命取りになります。
3つ目は、採択審査があるという点です。持続化補助金の直近実績でも採択率はおよそ48%と、2件に1件は通らない計算になります。不採択の可能性を織り込み、補助金ありきではない資金計画を持っておくことが安全です。
採択されやすい事業計画のポイント
サウナ事業の計画で説得力を左右するのは、差別化と実現可能性の2点です。立地のロケーションを活かした体験価値、ターゲットと客単価の根拠、季節変動を織り込んだ収支計画を数字で示せると、審査側の納得感が高まります。地域の雇用や観光への波及効果まで言及できれば、地域系の制度ではとくに評価されやすくなるでしょう。
補助金と相性のよい「小さく始めるサウナ」という選択肢
初期投資を抑えるほど自己負担も小さくなる
補助金には補助率があり、たとえば3分の2の補助を受けられても、残りの3分の1と立て替え資金は自己負担です。つまり初期投資の総額が小さいほど、自己負担額も、不採択だった場合のリスクも小さくなります。
この観点から現実的なのが、小型サウナで小さく始めて実績を作り、集客データを根拠に増設段階で改めて補助金を活用するという段階的な戦略です。実績のある2期目以降の申請は、事業計画の説得力という面でも有利に働きます。
電気工事不要のインスタントサウナなら計画に落とし込みやすい
断熱材の発泡ウレタンを用いた独自の構造により、高い断熱性能と熱循環効率を実現した新しいサウナであるインスタントサウナは、直径約2.2m・高さ約2.9mのドーム型で、小さく始めるサウナ事業に向いた選択肢です。
100V/1500Wの電気ストーブで稼働するため電気工事が不要で、電源の引き込み工事費や工期を見積もりに含める必要がありません。設備構成がシンプルになるほど事業計画の経費内訳も明確になるので、補助金申請の書類づくりという面でも扱いやすい設備でしょう。
製品の特徴や活用シーンは、こちらの記事で詳しく紹介しています。

サウナ開業の補助金に関するよくある質問
- サウナ設備の購入費にも補助金は使えますか?
-
制度によります。設備投資を対象とする補助金では、サウナ本体やストーブが機械装置費などの対象経費に含まれるのが一般的です。対象経費の範囲と上限は制度ごとに異なるため、申請前に公募要領で必ず確認してください。
- 個人事業主でも補助金を申請できますか?
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申請できる制度が多くあります。とくに小規模事業者持続化補助金は個人事業主も対象とされており、商工会・商工会議所の支援を受けながら申請できるため、初めての方の入口に向いています。
- 補助金はいつ受け取れますか?
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事業完了後の後払いが原則です。設備の導入と支払いを済ませ、実績報告が確認されてからの入金になるため、それまでの資金は自己資金や融資で立て替える前提で計画を立てておく必要があります。
- 不採択になった場合、再挑戦はできますか?
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多くの制度で次回以降の公募に再申請できるとされています。不採択の要因を見直して事業計画の数値根拠や差別化を磨き直せば、採択の可能性を高めての再挑戦が可能です。
まとめ|補助金は「最新情報の確認」と「小さく始める設計」で活きる
- サウナ施設の整備に使えるのは主に採択審査型の「補助金」で、雇用関連の「助成金」とは性質が異なる
- 2026年度は制度再編があり、新事業進出・ものづくり商業サービス補助金の第1回公募は8月31日から申請受付
- 小さく始めるなら小規模事業者持続化補助金、地域展開ならローカル10000や観光系・自治体独自の制度も候補になる
- 補助金は後払いかつ交付決定前の発注は対象外が一般的なため、資金繰りとスケジュールの設計が不可欠
補助金はサウナ開業のハードルを下げてくれる心強い制度ですが、公募時期と要件は毎年のように動きます。「使える制度を探してから計画を作る」のではなく、事業計画の骨子を先に固め、合う制度が公募されたタイミングで申請できる状態を作っておくことが、活用の近道です。
初期投資を抑えた小さなスタートなら、自己負担もリスクも小さくなり、補助金への依存度そのものを下げられます。まずは自分の事業規模に合う制度の公募要領を1つ読み込むところから始めてみてください。




