インスタントハウス モバイル|車で運べる新モデルの特徴・価格・活用シーン

「空き地を持っているが、建物を建てるほどの投資はしたくない」「借地なので撤去できる空間がほしい」。そんな土地活用の悩みに応える新モデルとして、LIFULL ArchiTechが2026年4月から販売を開始したのがインスタントハウス モバイルです。この記事では、インスタントハウス モバイルの特徴、仕様、価格、活用シーンをまとめて紹介します。

目次

インスタントハウス モバイルとは?車で運べる新モデルの概要

インスタントハウス モバイルは、インスタントハウスシリーズの最新モデルとして、車両輸送・即日設置・移設可能という3つの機動性を兼ね備えた空間プロダクトです。従来のインスタントハウスが持つ断熱性や耐候性を維持しつつ、輸送と運用の自由度を大きく高めた点が最大の特徴です。

従来のインスタントハウスとの違い

従来のインスタントハウスは、現地でテントシートを空気で膨らませ、内側から硬質発泡ウレタンを吹き付けて成型する構造物でした。1棟あたり数時間で設営できる手軽さが評価されてきましたが、一度成型すると原則としてその場所での運用が前提になります。

一方、インスタントハウス モバイルは完成した状態でトラック輸送できる設計になっています。輸送車両から人力で降ろし、ビス・ペグ・スクリューボルトで地面に固定すれば設置完了となり、必要に応じて別の場所への移設も可能です。

「非建築物」扱いでさまざまな土地に設置可能

インスタントハウス モバイルは土地に定着させない前提で運用されるため、一般的に非建築物として扱われます。そのため、建築確認申請を伴わずに設置できる運用が想定されており、従来の建物を建てる場合と比べて初期コストや手続きの負担を抑えられます。

注意点

建築物に該当するかどうかは行政判断によって見解が異なる場合があります。地面に常時固定する運用を想定する場合などは、設置地域を所管する特定行政庁にご確認ください。

開発背景|空き地問題と建築コスト高騰という課題

インスタントハウス モバイルが生まれた背景には、相続後に活用されないまま放置される土地の増加と、建築コスト高騰による新規建設のハードル上昇があります。LIFULL ArchiTechは、この2つの課題を同時に解決する手段として、機動性の高い新モデルを開発しました。

使われない土地が生む維持コストの負担

相続などで取得した土地をうまく活用できずに放置してしまうケースは増加傾向にあり、維持費や固定資産税の負担が社会的な課題となっています。未活用のままにしておくと、所有者にとって純粋なコスト要因になりかねません。

とはいえ、新たに建物を建てて収益化しようとすると、大きな初期投資が必要となり、投資回収期間の長期化や将来的な空室リスクがついてまわります。特に借地の場合、契約満了後に撤去を求められる前提で固定建物を建てるのは現実的ではありません。

固定資産化しない「動かせる空間」への需要

近年は資材価格や人件費の高騰により建築費そのものが上昇しており、土地活用に踏み切れない所有者が増えています。こうした状況のなかで注目されているのが、固定の建物を建てずに収益化する発想です。

インスタントハウス モバイルは、「季節に合わせて最適な場所へ移動させる」「借地の契約満了に伴って撤去・移設する」といった、従来の建物では実現しづらかった運用ができる空間プロダクトです。投資を回収しきれずに残る建物への不安を抱えずに、土地活用の第一歩を踏み出せます。

インスタントハウス モバイルの7つの特徴

インスタントハウス モバイルには、土地活用や多目的な空間利用を後押しする7つの特徴があります。低コスト・即日性・機動力・断熱性・耐久性・多目的性がひとつの空間に集約されている点が、従来型の建物とは大きく異なります。

低コストで導入できる本体価格

インスタントハウス モバイルの標準仕様の本体価格は148万円(税別・輸送費別途)です。基礎工事や確認申請を伴う建物と比べて、付帯費用を含めた総コストを抑えやすいのが特徴です。

借地や短期間での運用を前提とする場合、回収すべき初期投資が小さいほど事業リスクは低くなります。オプション仕様の選択肢も用意されているため、用途に応じたカスタマイズも可能です。

届いたその日から利用開始できる即日性

一般的に非建築物として扱われる前提で設計されているため、建築確認申請をはじめとする手続きを要しない運用が想定されています。輸送車両から降ろして地面に固定するだけで使い始められるので、届いた当日から稼働できるのが大きな魅力です。

設置時間は、基礎工事や長期の工期を前提とする建物とは比較にならない短さで済みます。イベントやシーズン運用のように立ち上げスピードが重視される現場で、強みを発揮するプロダクトです。

車で輸送・移設ができる機動力

3tトラック以上の積載量をもつ車両であれば、インスタントハウス モバイルをそのまま輸送できます。道路法に定められた一般道の高さ制限(3.8m)にも準拠しているため、公道の走行にも対応できる設計です。

輸送車両から重機を使わずに人力(大人3〜4人程度)で荷下ろしできる点も、従来の建物にはない運用上のメリットです。繁忙期に合わせて運用場所を切り替えたり、借地契約の満了に伴って移設したりと、個室空間そのものを柔軟に動かせる運用が実現します。

基礎工事が不要で設置がシンプル

インスタントハウス モバイルはコンクリート基礎を伴わないため、基礎工事を待たずに設置できます。固定にはビス、ペグ、スクリューボルトを用い、地面の条件に合わせた方法で確実に固定します。

STEP
車両による運搬

3tトラック以上の積載量をもつ車両で現地まで輸送します。道路法の高さ制限にも対応しているため、公道の走行も可能です。

STEP
荷下ろし作業

輸送車両から大人3〜4人程度の人力で荷下ろしをおこないます。必要に応じて台車などを活用し、設置位置まで運びます。

STEP
設置完了

ビス、ペグ、スクリューボルトを使って地面に固定すれば設置完了です。届いたその日から運用を始められます。

断熱材を360°に使用した快適性

防炎テント生地の内側に硬質ウレタン断熱材を吹き付けた構造になっており、断熱材を360°に使用した設計です。外気温の影響を受けにくいため、夏場でも冬場でも室内環境の変動を抑えやすくなっています。

宿泊利用やワークスペースのように滞在時間の長い用途でも、空調依存度を低くしながら快適に過ごせる空間として設計されています。

台風・地震・積雪にも対応する耐候性

耐候性能についても、屋外設置を前提とした基準が設定されています。粗度区分Ⅱ程度を想定した風速60m/s程度の耐風性能を有し、積雪にも対応する仕様です。

耐候性能のポイント
  • 耐風性能|粗度区分Ⅱ程度を想定、風速60m/s程度
  • 耐震性能|震度6強の地震に対して崩壊しない(重要度係数1.0程度・建築に置き換えた場合)
  • 耐雪性能|一般仕様で屋根上積雪40cm以下、耐雪仕様で60cm以下

用途を限定しない多目的利用

インスタントハウス モバイルは、特定の用途に縛られない多目的な空間として設計されています。宿泊ブース、ワークスペース、レンタルスペース、趣味部屋、そして災害時の緊急避難先まで、同じプロダクトを幅広いシーンで運用できます。

ニーズの変化に合わせて用途を切り替えたり、閑散期には別の使い方へ転用したりと、運用の柔軟さが空間ビジネスの収益性を支える土台になります。

インスタントハウス モバイルが活きる活用シーン

ここからは、インスタントハウス モバイルが実際に活きる活用シーンを紹介します。宿泊事業からワークスペース、個人の趣味空間、そして防災用途まで、同じプロダクトを異なる目的で柔軟に運用できるのが強みです。

宿泊・グランピング施設の新スタイル

初期投資を抑えて宿泊事業を始めたい事業者にとって、インスタントハウス モバイルは有力な選択肢になります。床面積約8.12㎡(約5畳)の空間は、カップルや少人数のグランピング宿泊に適したサイズ感です。

内装は断熱材の質感が残るやわらかな曲面に包まれており、ドーム型とは異なる小屋のような親しみやすさを演出できます。シーズンや稼働状況に応じて棟数や配置を変更できる柔軟性も、宿泊施設運営における魅力です。

ワークスペース・レンタルスペース

都市部の高架下や空き地に設置して、予約制のワークスペースやレンタルスペースとして運用する活用方法もあります。断熱材を360°に使用した構造により、外気温の影響を受けにくい集中環境をつくれます。

撮影スタジオ、個別レッスン、ポップアップショップなど、短期から中期の運用を前提としたレンタルスペース事業にも適しています。撤去や移設の柔軟さを活かして、立地を試行錯誤しながら事業を育てられます。

個人の趣味空間・プライベートジム

個人の庭先や遊休地に設置して、趣味専用の離れとして活用する使い方も広がっています。楽器演奏、映像制作、読書、ゲーミング、プライベートジムなど、自宅では確保しづらい独立した空間を一棟まるごと趣味に振り向けられます。

コンクリート基礎を伴わずに設置できるため、庭の景観を大きく変えることなく導入でき、ライフスタイルの変化に応じて移設や撤去も可能です。

災害時の緊急避難先・備蓄保管

機動力を活かせば、平常時と発災時で用途を切り替える運用もできます。平常時は備蓄品の保管場所として使い、発災時にはプライバシーに配慮した空間として必要な場所へ届ける、といった使い方です。

断熱材を360°に使用した構造は、外気温の影響を受けにくい避難空間づくりにも寄与します。備蓄倉庫から医務室、授乳室、更衣室まで、避難所運営における空間確保の課題に応えるプロダクトとしても期待できます。

インスタントハウス モバイルの製品仕様

インスタントハウス モバイルの主な仕様をまとめました。標準仕様と耐雪仕様で内法面積や積雪対応が異なるため、設置地域の気候条件に合わせて選ぶのがおすすめです。

スクロールできます
項目仕様
外寸幅2.04m × 奥行4.10m × 高さ2.80m
床面積約8.12㎡(約5畳)
内法面積一般仕様 約7.8㎡/耐雪仕様 約7.3㎡
重量約130kg
外壁素材防炎テント生地(ポリエステル)
内壁素材ウレタン(硬質ウレタン断熱材)
耐風性能粗度区分Ⅱ程度を想定、風速60m/s程度
耐震性能震度6強の地震に対して崩壊しない(重要度係数1.0程度・建築に置き換えた場合)
耐雪性能一般仕様 屋根上積雪40cm以下/耐雪仕様 60cm以下
設置方法ビス・ペグ・スクリューボルトで地面に固定
輸送条件3tトラック以上の積載量、道路法の高さ制限3.8mに準拠

数値はいずれも標準仕様を前提としたものであり、オプション仕様の場合は条件が異なることがあります。具体的な用途や設置環境にあわせて、詳細はメーカーに確認するのが確実です。

インスタントハウス モバイルの価格と購入の流れ

インスタントハウス モバイルを導入する際の価格と、購入の流れを確認しておきましょう。標準仕様の本体価格を起点に、用途や立地に応じて輸送費やオプションを組み合わせる形になります。

本体価格とオプション

標準仕様の本体価格は148万円(税別・輸送費別途)です。耐雪仕様への変更や設備オプションが用意されており、用途や設置地域に応じて選べます。

輸送費は設置地域までの距離によって変動するため、正確な見積もりはメーカーに問い合わせるのがスムーズです。事業用途で導入する場合は、償却資産としての取り扱いについても税理士や自治体の税務窓口に相談しておくと安心です。

問い合わせから設置までの流れ

具体的な導入を検討する場合は、LIFULL ArchiTechへのお問い合わせから始まります。用途、設置予定地、希望仕様などをヒアリングしたうえで、見積もりや納期が提示される流れです。

STEP
問い合わせ・ヒアリング

用途、設置地、希望仕様などをお問い合わせフォームまたはメールで相談します。

STEP
見積もり・契約

オプション仕様と輸送条件を踏まえた見積もりをもとに、仕様を確定し契約を進めます。

STEP
製作・輸送

仕様に応じて本体を製作し、3tトラック以上の車両で設置地まで輸送します。

STEP
設置・運用開始

輸送車両から人力で荷下ろしし、ビス・ペグ・スクリューボルトで地面に固定して運用を開始します。

インスタントハウス モバイルのよくある質問

最後に、インスタントハウス モバイルについてよく寄せられる質問をまとめました。導入を検討する前に、気になるポイントをチェックしておきましょう。

インスタントハウス モバイルは建築確認申請が必要ですか?

地面に常時固定せず移動を前提とする運用では、一般的に非建築物として扱われるため、建築確認申請は原則として不要とされています。ただし、建築物に該当するかどうかは行政判断によって異なる場合があるため、設置前にLIFULL ArchiTechにて設置地域を所管する特定行政庁への確認を行います。

設置にはどれくらいの時間がかかりますか?

輸送車両から人力(大人3〜4人程度)で荷下ろしし、ビス・ペグ・スクリューボルトで固定すれば設置完了です。基礎工事や建築確認申請を要しないため、届いたその日から利用を始められる設計になっています。

どのような車両で輸送できますか?

3tトラック以上の積載量をもつ車両であれば輸送できます。道路法に定められた一般道の高さ制限3.8mにも準拠しているため、公道の走行も可能です。

設置後に別の場所へ移設することはできますか?

インスタントハウス モバイルは人力で移動・移設できる設計です。借地契約の満了、季節ごとの運用場所の変更、繁忙期に合わせた再配置など、柔軟な運用に対応できます。

台風や積雪の多い地域でも使えますか?

耐風性能は粗度区分Ⅱ程度を想定した風速60m/s程度、耐震性能は震度6強の地震に対して崩壊しない水準です。積雪については、一般仕様で屋根上積雪40cm以下、耐雪仕様で60cm以下に対応します。設置地域の気候条件に応じて仕様を選ぶとよいでしょう。

本体価格以外にかかる費用はありますか?

本体価格とは別に輸送費が発生します。また、耐雪仕様への変更やオプション設備を追加する場合は、別途費用がかかります。具体的な金額は設置地域や仕様によって変わるため、お問い合わせのうえ見積もりを確認してください。

まとめ|土地活用の新しいスタンダードになる空間

インスタントハウス モバイルは、車両輸送と即日設置、そして柔軟な移設運用を実現した新しいタイプの空間プロダクトです。相続した土地や未活用の空き地を、大きな初期投資を伴わずに収益化できる可能性を広げてくれます。

インスタントハウス モバイルのポイント
  • 本体価格148万円(税別・輸送費別途)で導入できる低コスト設計
  • 3tトラックで輸送でき、人力で荷下ろし・設置が可能な機動力
  • 一般的に非建築物として扱われ、届いたその日から利用を始められる即日性
  • 断熱材を360°に使用した、外気温の影響を受けにくい快適な空間
  • 宿泊・ワークスペース・趣味空間・防災まで幅広い用途に対応

グランピングやレンタルスペースといった宿泊・滞在型ビジネスから、個人の趣味空間、そして災害時の備えまで、同じプロダクトでさまざまな用途に対応できるのが大きな強みです。固定資産化しない「動かせる空間」という発想は、これからの土地活用の選択肢を広げてくれるはずです。

導入を検討している方は、用途や設置環境に合わせた仕様を相談できるよう、まずはLIFULL ArchiTechへの問い合わせから始めてみてください。

監修者

山中典(やまなか つかさ)

株式会社LIFULL ArchiTech 取締役COO/名古屋工業大学共同研究員。インスタントハウスの開発・事業を軸に、災害支援から多様な空間活用まで幅広く展開している。
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