グランピング施設の付帯設備5選|BBQ・ラウンジ・水回り棟の増設手順と許認可を徹底解説

客室は十分にあるけど、雨の日にBBQができなくて困っている…。シャワー棟やラウンジを増やしたいけど、何から手をつければいいかわからない。

グランピング施設の運営が軌道に乗ってくると、客室そのものよりも「付帯設備」の不足が気になり始めます。雨天時に使える全天候型のBBQスペース、滞在中にゆっくりくつろげるラウンジ、清潔で快適なシャワー棟やトイレ棟こうした共用施設は、リピート率や客単価に直結する要素です。

リゾートグランピングドットコムも「ホテルや旅館など建物の投資と比較して、グランピングはテントなど安価な設備投資で客室を増やしたり、変更したりできるのが強み」と述べており、付帯設備についても柔軟な追加が可能です。設備投資のしやすさはグランピング経営の大きな武器になります。

参照元:リゾートグランピングドットコム「グランピング施設の売上アップ策」

ただし、付帯設備の増設には旅館業許可上の確認事項や、構造物選びの判断、ランニングコストの見直しといった注意点もあります。

監修者

株式会社LIFULL ArchiTech 取締役COO
名古屋工業大学 共同研究員
山中典(やまなか つかさ)

この記事では、グランピング施設の付帯設備(BBQスペース・ラウンジ・シャワー棟・トイレ棟・管理棟)の増設について、必要な手続きから構造別の選び方、投資効果を高めるコツまで既存施設オーナー向けに解説します。
目次

グランピング施設の付帯設備を増設するメリット・デメリット

付帯設備の増設は、客室を増やさずに施設の魅力を底上げできる施策です。ただし固定費や手続きの面でもインパクトがあるため、判断材料を整理しておきましょう。

付帯設備を増設するメリット

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メリット詳細
客単価アップにつながるラウンジでのフリードリンクサービスや有料サウナなど、付帯設備で追加収益の機会が生まれる
雨天時の機会損失を防げる全天候型BBQスペースを増設すれば、悪天候時のキャンセルやクレームを大幅に減らせる
レビュー評価が上がりやすいシャワー・トイレの清潔感や数は、口コミに直結しやすい要素。改善すれば施設全体の評価向上が見込める
滞在時間が延びるラウンジや共用スペースが充実すると、ゲストの滞在体験が豊かになり、リピート率向上にも寄与する
客室を増やすよりも投資が小さいシャワー棟やラウンジは1棟増設するだけで全客室の体験を底上げできるため、投資効率が高い

客室の増設は売上の上限を引き上げる施策ですが、付帯設備の増設は「顧客満足度」と「客単価」を引き上げる施策です。すでに繁忙期にほぼ満室で稼働している施設なら、客室よりも付帯設備への投資のほうが効果が出やすいケースがあります。

増設のデメリット・リスク

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デメリット・リスク詳細
清掃・管理コストの増加共用スペースは個室以上に頻繁な清掃が必要。トイレ・シャワー棟は特に衛生管理の負荷が大きい
水回り・浄化槽のキャパシティシャワー棟やトイレ棟を増設する場合、既存浄化槽の処理能力で対応できるかの確認が必要となる
許認可手続きの発生増設規模によっては旅館業許可の変更届や、建築物として扱う場合は建築確認申請が必要となる
消防設備の追加共用施設の収容人員によっては、消防設備の追加や届出が発生する
動線の再設計新設する設備と既存客室の位置関係によっては、施設全体の動線見直しが必要になるケースがある

特に水回り設備(シャワー棟・トイレ棟)の増設では、既存浄化槽の処理能力が課題になりやすいポイントです。リゾートグランピングドットコムでも「入浴設備、トイレ、浄化槽など旅館業許可との兼ね合いに注意が必要」と指摘されており、増設前に必ず確認しておきたい項目になります。

増設の優先順位は「ボトルネック」から

付帯設備の増設を検討する際は、ゲストレビューや問い合わせから「現在の不満点・要望」を洗い出し、ボトルネックになっている設備から優先して増設するのが基本です。シャワー待ちのクレームが多いならシャワー棟、雨天時のキャンセルが多いなら全天候型BBQスペース、というように施設ごとの課題に合わせて投資先を決めましょう。

増設を検討すべき主要な付帯設備5タイプ

グランピング施設で増設候補になる付帯設備を、役割と効果別に5タイプに整理しました。それぞれ「どんな施設に向いているか」「期待できる効果」「規模の目安」を押さえておきましょう。

①BBQスペース・全天候型食事スペース

BBQはグランピングの目玉体験ですが、雨天時にどう対応するかは多くの施設が抱える課題です。屋根付きの全天候型BBQスペースを増設すれば、天候に左右されずにゲストへ安定した体験を提供できます。

那須ハミルの森のBBQハウスはガゼボ(屋根付き東屋)スタイルで、季節や天候を問わず快適に過ごせる仕様にしています。グランピングB&V那須高原でも全棟個別の全天候型食事スペースを備えており、雨天時でも問題なくBBQを楽しめる作りです。

参照元:じゃらんニュース「2025関東のグランピング施設おすすめ19選」 / グランピングB&V 那須高原 公式サイト

BBQスペースを増設する際の検討ポイントは以下のとおりです。

  • 各客室専用にするか、共用棟として集約するかの方針決定
  • 屋根・壁の有無(横なぐりの雨にも対応するか、簡易的な日よけで十分か)
  • 網戸の設置(夏場の虫対策で口コミ評価に直結する)
  • 排煙・換気の設計(屋根付きスペースで炭火を使う場合は特に重要)
  • 消防法上の取り扱い(屋根付き火気使用空間として届出が必要な場合あり)

各客室専用の食事スペースを設ける形式は、プライベート感が高まり客単価アップにつながりやすい一方、棟数分の整備コストがかかります。共用BBQスペースとして集約する形式は、施設規模に対して柔軟に対応でき、運営オペレーションも軽くなる傾向です。

②ラウンジ・共用リラックススペース

ラウンジは、ゲストがチェックイン後やBBQ後にくつろぐための共用スペースです。フリードリンクや本・ボードゲームなどを揃えた施設も多く、滞在時間や顧客満足度の引き上げに貢献します。

グランピングヴィレッジIBARAKIの管理棟内「リラックステラス」では、約5,000冊の単行本を用意しており、ウッドデッキスペースでは併設飲食店からのテイクアウトも楽しめる設計になっています。グランアップル神戸三田は1万冊の本を備えたラウンジやジムなど、多彩な設備で滞在体験を充実させています。

参照元:グランピングヴィレッジIBARAKI 公式サイト / 休日グランピング部「BBQがあるおすすめグランピング宿泊施設」

ラウンジを増設するメリットは、客単価アップだけではありません。ラウンジで提供するフリードリンクやウェルカムサービスが「オールインクルーシブ感」を演出し、宿泊プランの単価設定を引き上げる根拠になります。

  • フリードリンク・ウェルカムサービスの提供拠点
  • 本・ボードゲーム・カードゲームなどの貸し出しスペース
  • 暖炉や薪ストーブを設置すれば閑散期(冬期)の集客資源にもなる
  • 雨天時にゲストが集まれる「逃げ場」としても機能する

ラウンジ単体を新設するのが難しい場合は、フロント機能と一体化した管理棟内に設けるパターンが現実的です。後述の管理棟と兼ねて設計すれば、投資効率がさらに高まります。

③シャワー棟・浴室棟

シャワー設備の不足は、ゲストレビューで最もネガティブ評価につながりやすいポイントの一つです。「シャワー待ちが長い」「混雑して使えなかった」といった不満は、施設全体の印象を大きく損ねるため、客室稼働に対してシャワー数が不足している施設では優先度の高い増設項目になります。

旅館業法の許可基準では、必要なシャワー・浴室の数は明確に規定されていません。ただしグランプレスやグランペディアによると、ゲストルーム10棟に対して3〜5箇所のシャワールーム・トイレを設置するのが目安とされています。1室ずつに必ずしも個別シャワーを設置する必要はないものの、棟数の3分の1から半数程度の設置が望ましいとされています。

参照元:グランプレス「グランピング施設運営には旅館業法の許可が必要」 / グランペディア「グランピング企画開発の要点」

シャワー棟を増設する際の検討ポイントは以下のとおりです。

  • 男女別での区分(旅館業法上は不要だが、ゲスト満足度のため推奨)
  • 給湯設備の能力(複数同時利用に耐えられるか)
  • 排水・浄化槽のキャパシティ確認
  • 夜間利用を想定した照明・防犯設備
  • 清掃のしやすい床材・排水設計

増設規模が大きい場合は、シャワー棟だけでなく浴室棟(湯船付き)にグレードアップする選択肢もあります。グランピングヴィレッジIBARAKIのように温浴施設を併設すると、宿泊単価の引き上げと差別化が同時に実現できます。

④トイレ棟・洗面棟

トイレ・洗面設備は、宿泊者数に応じた適切な数の設置が旅館業法で求められています。シャワー棟と同様、10棟に対して3〜5箇所が目安です。

トイレ棟を増設する場合の最大の論点は、既存浄化槽との接続です。客室を増やしていなくてもイベント利用や日帰りBBQで利用人数が増えている施設では、浄化槽処理能力の限界に近づいているケースもあります。増設前に浄化槽の処理能力を確認し、必要に応じて浄化槽の入替や増設を計画に組み込みましょう。

レビュー対策としては、トイレ棟を「歯磨き・洗面スペースから分離する」という配慮も評価につながります。実際にゲストレビューでも「歯磨き洗面スペースがトイレではなく別にあると良いと感じた」という声が確認されており、洗面台を別棟または別エリアに設けるだけでも快適性が大きく向上します。

参照元:OZmall「バーベキュー付きのおすすめグランピング・キャンプ」

⑤管理棟・フロント機能

管理棟は、フロント・受付・アメニティ管理・スタッフ拠点を集約する施設です。客室を増設して規模が大きくなった施設では、管理棟の機能不足が運営オペレーションのボトルネックになるケースがあります。

グランペディアによると、玄関帳場(フロント)の設置については近年要件が緩和されており、ホテル運営事業者が隣接の遊休地でグランピングを運営する場合などは、ホテルのフロント機能を共用することも可能なケースが多くなっています。ただし自治体によってはフロントと宿泊棟の距離などの規制があるため、増設前に保健所への事前協議が推奨されます。

参照元:グランペディア「グランピング企画開発の要点」

管理棟をラウンジと一体化して設計すると、以下のような効果が期待できます。

  • チェックイン待ちのゲストがラウンジで快適に過ごせる
  • スタッフが一拠点で受付・売店・ラウンジサービスを兼任でき、人件費を抑えられる
  • ゲストとスタッフの接点が増えるため、要望対応やトラブル対応が早くなる

付帯設備5タイプを比較すると、それぞれ役割と効果が異なります。下表で整理しておきましょう。

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付帯設備主な効果優先度が高いケース
BBQスペース雨天時の機会損失防止・客単価アップ雨天キャンセル率が高い施設
ラウンジ滞在時間延長・客単価アップ客単価をさらに引き上げたい施設
シャワー棟レビュー評価向上・快適性向上シャワー待ちのクレームがある施設
トイレ棟レビュー評価向上・衛生向上客数に対しトイレが不足している施設
管理棟運営効率化・受付体験向上客室数が増えて拠点が手狭な施設

付帯設備の増設に必要な手続き・許認可

付帯設備の増設は客室の新規開業よりも手続き負担が小さいケースが多いものの、規模や構造によっては各種許認可や届出が必要になります。事前確認を怠ると、工事完了後に行政指導が入って稼働できないというリスクもあります。

旅館業許可の変更届・新規申請の判断

増設規模によって旅館業許可の取り扱いが変わるため、注意が必要です。グランプレスやツナグ行政書士事務所によると、既に許可を取得している施設で建築延べ面積の50%以上にわたる増改築を行う場合は、旅館業許可の新規申請が必要になります。一方、50%未満の増改築であれば変更届で対応できるケースが多いとされています。

参照元:グランプレス「グランピング施設運営には旅館業法の許可が必要」 / ツナグ行政書士事務所「グランピング施設開業ガイド」

付帯設備の増設の場合、シャワー棟・トイレ棟など水回りの大規模増設や、管理棟を新たに設ける場合は50%基準に達するケースが想定されます。BBQスペースやラウンジ単体の増設では変更届で対応できることが多いものの、判断は最終的に保健所が行うため、増設計画の早い段階で事前相談しておくのが確実です。

建築確認の要否(構造物の選び方で変わる)

増設する付帯設備が建築基準法上の「建築物」に該当する場合、建築確認申請が必要になります。シャワー棟・トイレ棟・管理棟など、基礎工事を伴う木造構造で建てる場合は原則として建築確認申請が必要です。

一方、ペグやビスで固定するだけで解体・撤去が容易な構造物であれば、建築物に該当しないと判断されるケースもあります。ただし、自治体(土木事務所)によって判断が異なるため、増設計画の段階で必ず管轄の土木事務所に事前相談を行ってください。

BBQスペースのように屋根と簡易な構造のみの設備であれば、建築物に該当せず建築確認が不要になるケースもあります。一方で、シャワー棟・浴室棟のように基礎工事と給排水設備を伴う構造は、建築物として扱われる可能性が高くなります。

消防設備・浄化槽・水回りの追加対応

付帯設備の増設に伴い、施設全体の収容人員や火気使用箇所が増える場合、消防設備の追加や届出が必要になります。特にBBQスペース(火気使用設備)の増設では、消防署への事前相談が必須です。

シャワー棟・トイレ棟を増設する場合は、既存浄化槽の処理能力を必ず確認しましょう。浄化槽の処理能力が増設後の利用人数に対応できない場合、浄化槽の増設・入替工事が別途発生します。グランピング施設では、宿泊者数だけでなく日帰り利用者も含めた最大利用人数を基準に処理能力を計算する必要があります。

事前相談は3つの窓口へ同時並行で

付帯設備の増設では、保健所(旅館業許可)・土木事務所(建築確認)・消防署(消防設備)の3窓口への事前相談が基本です。それぞれの判断が他の窓口の対応を左右するため、計画初期に同時並行で相談を進めるのが効率的です。

付帯設備の構造選び|インスタントハウスという選択肢

付帯設備を増設する際、どんな構造物で建てるかは費用・工期・手続きすべてに影響します。共用設備として使える主な構造物のタイプを整理します。

構造物のタイプ別比較

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構造物建築確認工期目安向いている用途
木造建築原則必要数か月〜半年以上シャワー棟・浴室棟・管理棟
ガゼボ・東屋規模により判断数週間〜BBQスペース・休憩スペース
テント・ドームテント自治体により判断組立+付帯工事で数週間〜BBQスペース・簡易ラウンジ
インスタントハウス原則不要(行政判断による)数時間(約6時間)ラウンジ・小規模管理棟・BBQ屋根スペース

シャワー棟やトイレ棟のように給排水設備を伴う付帯設備は、基礎工事を伴う木造建築での施工が一般的です。一方、ラウンジ・休憩スペース・BBQスペースのように給排水を伴わない設備であれば、より柔軟な構造物を選択できます。

インスタントハウスを共用設備として活用するメリット

インスタントハウスは、2011年の東日本大震災での被災地支援をきっかけにした名古屋工業大学大学院の北川啓介教授の研究をもとに、LIFULLと名古屋工業大学大学院による共同研究にて開発した新しい構築物です。法的に「工作物」として扱われ、ドーム型の構造になっています。

付帯設備として活用する際のポイントは以下の3点です。

  • 建築確認申請が原則不要(行政判断による)→ 手続きの負担を大幅に軽減
  • 基礎工事不要・ペグやビスで固定 → 既存サイトの造成を最小限に抑えられる
  • 設営は数時間(約6時間) → 短工期で増設できる

断熱材を360°に使用しているため、外気温の影響を受けにくく、共用ラウンジとして年間を通じて快適に使える点もメリットです。素材自体が断熱材として機能するため、別途断熱ライナーを購入する必要がありません。

本体価格に設営費が含まれているわかりやすい価格設定になっています。

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ラインナップサイズ価格(税込)
シンプル432,244,000円
シンプル503,080,000円
シンプル604,356,000円
ベーシック432,475,000円
ベーシック503,278,000円
ベーシック604,950,000円

サイズを調整することも可能なため、ラウンジや小規模管理棟、雨天対応のBBQ屋根スペースとして活用できます。本体価格に設営費が含まれているわかりやすい価格設定で、特注仕様の場合は製作期間が別途必要となります。

「次の繁忙期に間に合わせたい」増設に最適

付帯設備の増設では「次の繁忙期に間に合わせたい」というスケジュール制約があるケースが多くあります。建築確認が必要な構造物を選ぶと、申請・審査だけで数か月かかるため、間に合わなくなるリスクも。建築確認が原則不要で設営が数時間で完了するインスタントハウスは、共用ラウンジ・小規模管理棟・BBQ屋根スペースとして短工期増設に向いた選択肢になります。

付帯設備の増設と同時に検討したい付加価値設備

BBQスペース・ラウンジ・水回りといった基本的な付帯設備の増設に加えて、客単価アップや差別化につながる「付加価値設備」も併せて検討すると、投資効果を最大化できます。

サウナの追加で客単価と閑散期集客を強化

ホテル・旅館利益向上プロジェクトによると、サウナ付きの客室や施設では通常の宿泊料金よりも20〜30%高い価格設定が可能で、サウナ利用を有料オプション(1回3,000円〜5,000円)として提供することで客単価を引き上げられるとされています。

参照元:ホテル・旅館利益向上プロジェクト「サウナ導入で売上向上!」

サウナは「閑散期の集客改善」と「客単価アップ」の2つの効果を同時に得られる設備投資です。シャワー棟・浴室棟の増設と同じタイミングで導入すれば、配管工事や許認可手続きをまとめて進められるメリットもあります。

断熱材の発泡ウレタンを用いた独自の構造により、高い断熱性能と熱循環効率を実現した新しいサウナであるインスタントサウナは、100V電源で運用可能な電気サウナストーブを採用しており、電気工事が不要です。インスタントハウスの増設と同時にインスタントサウナを導入すれば、施設全体のリニューアルを短期間で実現できます。

ドッグラン・ペット対応設備

リゾートグランピングドットコムによると、犬同伴が可能なグランピング施設はまだ供給が少なく、PRがうまくいけばかなりの高稼働が見込めるとされています。既存の客室をペット対応にするには内装の変更が必要ですが、付帯設備としてドッグランを増設するだけでもペット同伴ゲストへの訴求ポイントになります。

参照元:リゾートグランピングドットコム「グランピング施設の売上アップ策」

バリアフリー対応スロープ・通路

シャワー棟・トイレ棟・管理棟といった共用施設の増設時に、バリアフリー対応の通路やスロープを設けると、高齢者や障がいのある方のグループ旅行にも対応できます。共用施設の動線にユニバーサルデザインを取り入れることで、施設全体の利用者層が広がる効果も期待できます。

グランピング施設の付帯設備の増設でよくある質問

付帯設備を増設するとき、旅館業許可は取り直しになりますか?

増設の規模によります。グランプレスやツナグ行政書士事務所によると、建築延べ面積の50%以上にわたる増改築を行う場合は、旅館業許可の新規申請が必要です。50%未満であれば変更届で対応できるケースが多いとされています。BBQスペースやラウンジ単体の増設では変更届で対応できることが一般的ですが、保健所への事前相談で確認しましょう。

シャワー・トイレは何箇所くらい必要ですか?

旅館業法で明確な数は規定されていませんが、グランプレスやグランペディアによると、ゲストルーム10棟に対して3〜5箇所のシャワー・トイレを設置するのが目安です。各客室に個別設置する必要はなく、共用施設として棟数の3分の1から半数程度の設置が望ましいとされています。

BBQスペースの増設でも建築確認は必要ですか?

BBQスペースが建築基準法上の「建築物」に該当するかで変わります。屋根のみの簡易な構造であれば建築物に該当しないと判断されるケースが多い一方、壁を伴う本格的な建築構造であれば確認申請が必要です。判断は管轄の土木事務所が行うため、事前相談で確認してください。

既存の浄化槽でシャワー棟やトイレ棟の増設に対応できますか?

既存浄化槽の処理能力次第です。リゾートグランピングドットコムでも「入浴設備、トイレ、浄化槽など旅館業許可との兼ね合いに注意が必要」と指摘されています。増設後の最大利用人数(宿泊者+日帰り利用者)を基準に処理能力を確認し、必要に応じて浄化槽の入替や増設を計画に含めましょう。

ラウンジを増設するメリットは何ですか?

ラウンジは客単価アップと滞在時間の延長に直結します。フリードリンクやウェルカムサービスの拠点として機能させれば、宿泊プランの単価設定を引き上げる根拠にもなります。雨天時のゲストの「逃げ場」としての役割も担うため、雨天キャンセル率の低減にも寄与する設備です。

付帯設備の増設にインスタントハウスは使えますか?

はい、ラウンジ・小規模管理棟・BBQ屋根スペースなどの用途で活用できます。建築確認申請が原則不要(行政判断による)で、設営は数時間(約6時間)で完了するため、繁忙期に間に合わせたい増設に向いています。シャワー棟・トイレ棟のような給排水設備を伴う用途は別構造で検討してください。

まとめ

グランピング施設の付帯設備増設 成功のポイント
  • 付帯設備の増設は、客単価アップ・レビュー評価向上・雨天時の機会損失防止につながる施策
  • BBQスペース・ラウンジ・シャワー棟・トイレ棟・管理棟の5タイプから、ボトルネックとなっている設備を優先的に増設する
  • シャワー・トイレはゲストルーム10棟に対し3〜5箇所が目安。既存浄化槽の処理能力も合わせて確認する
  • 建築延べ面積の50%以上の増改築は旅館業許可の新規申請が必要。保健所・土木事務所・消防署への事前相談は計画初期に同時並行で進める
  • ラウンジ・小規模管理棟・BBQ屋根スペースには、建築確認が原則不要で短工期で設営できるインスタントハウスが選択肢になる
  • サウナ・ドッグランなどの付加価値設備を同時に検討すると、投資効果を最大化できる

グランピング施設の付帯設備の増設は、客室を増やさずに施設の魅力を底上げできる、投資効率の高い施策です。一方で、構造物の選択や許認可の確認を誤ると、工期の遅延や行政指導のリスクが発生します。

「次の繁忙期に間に合わせたい」「手続きの負担を最小限にしたい」という既存オーナーにとっては、建築確認が原則不要で設営が数時間で完了するインスタントハウスは、ラウンジ・小規模管理棟・BBQ屋根スペースの増設に向いた構造物の選択肢になります。サウナの同時導入も含めて、施設の課題に合わせて検討してみてください。

監修者

山中典(やまなか つかさ)

株式会社LIFULL ArchiTech 取締役COO/名古屋工業大学共同研究員。インスタントハウスの開発・事業を軸に、災害支援から多様な空間活用まで幅広く展開している。

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